断捨離

三寒四温も落ち着き、夏がやってきました。
皆さま、もう衣替えは終えられましたか。
衣替えと同時に着なくなった衣類を処分される方もいらっしゃると思いますが、
今日は「断捨離」についてー

数年前から世間に広まりつつあるこの「断捨離」という言葉、
整理やお片づけという意味で使われることが多いようですが、元々はヨーガの修行用語です。
「断行、捨行、離行」という修行に不必要なモノや情報をシャットアウトしたり、心の中に残っている思いや雑念を取り除いたりする行法です。
この「断捨離」という言葉を広められたやましたひでこさんはヨーガを実践されていたこともあるそうで、整理術とヨーガの考え方を一体化されました。お片づけをする時についてまわる「物を捨てたくない」という気持ちは「執着」という言葉にも置き換えられ、物を処分することで執着という感情も一緒に整理することができるということのようです。

お片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんが米TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたり、断捨離という言葉がまたたく間に広がったり、ヨーガが世界的なブームになったりする現代の背景には、私たちが抱えるゆとりのない「心」が関係しているのかもしれないな、と個人的には思っています。

話は変わりますが、ヨーガの考え方はインド思想に深く根付いています。
インド神話にはたくさんの神様が登場しますが、多くの神様の中でも特別に有名な神様が「ブラフマー」「ヴィシュヌ」「シヴァ」という三人の神様です。このお神様達がおられないとこの宇宙は存在しないといわれていて、お三方それぞれに担っておられる役割が違います。
ブラフマー神は宇宙の「創造」を、
ヴィシュヌ神は宇宙の「維持」を、
シヴァ神は宇宙の「破壊」を、
司っています。

「創造」と「維持」はなんとなくわかるとしても、「破壊」ってー なんだか少し恐ろしい響きですね。でも、この「破壊」があることでこの世はうまく回ってゆくとインド思想は考えます。これは「死と誕生」「破壊と再生」という言葉にも置き換えられるのかもしれません。
私が昔、屋久島に出かけた時に現地の方に伺った話ですが、何千年も生きている立派な屋久杉が雷に打たれて倒れることがある。そうすると樹の伸びていた先の空にぽっかりと空間が生まれて光が差し込んでくる。そして倒れた樹を苗床に新しい葉が芽吹き、光に向かって伸びてゆくのだそうです。

どんな「宇宙」も維持するうちに空間がなくなってガチガチに固まってくる。時に「破壊」されることで風通しがよくなり新しいエネルギーが吹き込むーという教えでもあるんだろうな、と解釈しています。

庵でいろんな方と接しお話を伺っていて思うことは、道に迷っておられる方はとても真面目な方が多いということです。「こうでなければいけない」というこだわりのようなものをしっかり大切に抱えていらっしゃいます。違う道を提案してみると目に光が射したように明るい表情をされる方もいらっしゃいます。

こだわりを手放すと心に空間が生まれる。
心のスペースが出来ると新しいものが動き出す。
自然の摂理なんでしょうね。

5月に吹く風はほのかに新緑の薫りを含んでいて、大きく吸い込むと全身に生命力が溢れます。
お部屋にも心身にも空間が必要です。
古いものを手放して新しい風を通してゆけるとよいですね。

都出

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